2001年 秋季リーグ戦レポート

★ 10月20日(土) 甲子園球場 ★
京都大 000 000 000 5=5
近畿大 000 000 000 0=0
(延長10回)

【松野慎一郎の試合レポート】

 10月20日の対近大戦は文字通りがけっぷちの戦いを左腕のエース河村(2北野)、そして今大会第一の好投手・野村を相手に土壇場での連打、勢いで勝利をものにした。

 先発・河村は1回裏、近大の好調な3番・平山にライトオーバーツーベースを打たれながらも他の1、2、4番をきっちり打ちとって抑え、その後もぐんぐん調子を上げて近大打線を抑えていく。 一方バッティングでは、4番・藤田(2膳所)、5番・川上(3岡崎)にヒットが出るものの、やはり野村を捉えきれず0行進が続いていく。

 一方河村は4回裏、先頭の3番・平山の内角を攻める余り死球を与え、4番・廣瀬のバントによって1アウトランナー2塁とするが5番・大八木を三球三振。 6番を内野フライと危なげなく切り抜ける。

 そして0−0のまま迎えた9回裏、近大の攻撃、打順3、4、5番。 まず当たっている3番・平山を見逃し三振、4番・廣瀬、5番・大八木を外野フライというすばらしいピッチングで延長に突入する。

 そして10回表、今これまで2三振の先頭2番・篠原(3星光学院)が引っ張ってサードベースをおそうレフト線ツーベースを放つと、ここで3番・舛永(4柳井)が送って1アウト二塁に。 そしてここで近大捕手・田中は当たっている4番・藤田、5番・川上に四球を与えて満塁策。 ここで6番・山崎(3洛星)のゴロをショートが処理しそこねているうちに篠原、藤田が返って2点。 さらにランナー1・3塁、ここで日高(3高津)が初球をレフト前でとどめの3点目。 交替した近大投手・橋本から8番・河村が自らライト前にはこんで4点目。 最後に9番・峯野(4北野)のセンターへの犠飛で5点差。 河村が10回裏を抑え切って5−0と劇的な勝利を手にした。


【試合レポート2】

 ・・・近大・野村、京大・河村、リーグを代表する両左腕投手が息詰る投手戦を展開した。 連投となる近大・野村は直球、変化球ともに低めに決まり、京大に付け入る隙も与えぬ投球を見せれば、京大・河村も130キロ中盤の伸びのある直球で押しに押した。 9回まで、両チームともにチャンスらしいチャンスをつかめぬまま迎えた10回、京大は先頭の篠原が三塁線を鋭く破る二塁打で出塁。 送りバントで三進後、近大は4番の藤田、5番の川上を連続敬遠し満塁策をとった。 一死満塁のビックチャンス、続く山崎の放った打球は遊撃前への緩いゴロ、名手・米田がこの打球を後逸し、ついに京大が均衡を破った。 その後も攻撃の手を緩めない京大は続く日高が三遊間突破の適時打、河村のバスター適時打、リーグ戦ここまで通算1安打の峯野までが中堅へ犠飛を放ちこの回計5点、その裏を河村が3人で抑え、京大が近大から完封勝利を収めた。

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 ついに本領発揮・・・。 京大期待のエース左腕・河村が10回を被安打4、与四死球1の衝撃投球で同校史上初の近大からの完封勝利投手となった。 この日は低目への速球が抜群の伸びを見せた。 課題であった制球難も克服、優勝をほぼ手中にしている強打の近大打線を寄せ付けなかった。

 高校2年夏の大会でノーヒットノーランを達成、その大会3試合で37三振を奪った快速左腕は慶応義塾、国士舘大、早稲田大など有力大学からの誘いを受けるなど、その名を全国に轟かせる存在であった。 ところが、高2夏の時点で痛めていたという左ヒジは悪化の一途をたどり、その後は目立った実績を残せぬままに高校野球生活を終えた。 1浪後、昨年京大に入学。 この頃には左ヒジ痛からは解放されていたが、ヒジを痛めた代償はあまりにも大きく、あれほど自由自在に操れたボールの行き先が、本人にもわからなくなるほどにフォームを崩した。 「ボールは速いがコントロールが悪い」、全国に掃いて捨てるほどの数の投手に冠せられる形容詞が、この河村にもついて回った。 とうとう昨年秋には投球禁止令が出て、ベンチからも外された。 再出発を誓った今シーズン、良かったときのフォームを取り戻すべく、河村はシャドーピッチングに励んだ。 10球に2、3球しか入らなかったストライクが、5球になり、8球になった。 そして、いつしか変化球でもストライクが取れるようになり、河村復活の声が叫ばれるようになった。 まだまだ不安一杯で迎えた春シーズン、河村は成長の跡を見せる。 防御率こそ4点台後半と安定感は低かったものの、被安打率、奪三振率ともにリーグトップの数字を叩き出した。 同志社大との新人戦では、190球の完投勝利という、「らしい」投球で自信を付けた。 春から夏にかけ、河村の安定度はますます増し、完全にエースの座を奪った。 そして迎えた今シーズン、万全で臨んだはずの開幕戦(vs立命大)で河村は打ち込まれた。 しかし、連投となった翌第2戦に140キロを計測するなど4イニングで8三振を奪い、「京大に河村あり」を強烈に印象付けた。 対関学第2戦では、チームの連敗を18(?)で止める自身初のリーグ戦勝利を完投で飾り、各大学の河村包囲網もいよいよ本格化した。

 そんな中で迎えた、今日の対近大2回戦であった。 この日は奇しくも米国同時多発テロの犠牲となり、ピッツバーグ沖に眠る高校時代の同級生の慰霊祭が行われた。 試合後、河村は亡き友の墓前に最高の報告をした。 自分のため、チームのため、そして志半ばにしてこの世を去った友のために、河村は明日第3戦もスタンバイする。


打撃成績
京都大学
(一)岡村4洛星400.231
(左)篠原3星光学院410.258
(三)舛永4柳井200.371
(右)藤田2膳所310.333
(遊)川上3岡崎310.214
(二)山崎3洛星301.136
(捕)日高3高津411.233
(投)河村2北野411.067
(中)峯野4北野301.034
合計3054.204
近畿大学
(右)田中篤3平安400.214
(二)松丸3PL学園400.171
(一)平山4近大付属320.395
(左)広瀬栄4宇和島東300.333
(三)大八木2大阪桐蔭400.263
(中)前田4上宮410.263
(遊)米田3報徳学園400.263
(投)野村2近大付属300.222
橋本和3近大付属000.000
(捕)田中雅2PL学園310.211
合計3340.249

京都大学近畿大学
二塁打篠原平山2
盗塁
田中雅
失策
米田
投手成績




打者安打自責防御率
河村2北野1035403.33
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野村2近大付属9 1/334411.38
橋本和3近大付属
2/32100.68

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